観劇日記 即興組合「菱形プレイ」2012.4.21(土)2012/04/22

久々の観劇日記。

2003~2004年の短い期間ですが、ちょいちょい見に行ってHPにアップしてました、「芝居観劇~勝手な観客の徒然なる観劇雑感」。


2005年のさいたま転居を機に、しばらーく離れてました。


ということで、しばらくぶりの観劇日記です。



即興組合とは、浅からぬご縁でそれなりに見てきました、客席から数回、舞台そでから数回。雑感を書くのは2004年4月「魁」以来となります、多分。


インプロはロングフォーム・スタイルとショートフォームスタイルの二つに分けることができますが、今回の「菱形プレイ」は、ロングフォーム・スタイルと呼ばれる、演劇的要素の濃いインプロです。ちなみにショートフォーム・スタイルはゲーム形式のものが中心。前回公演の「シアタースポーツ」は、まさにその典型です。

(※シアタースポーツは上演資格があるようです。道内では即興組合のみがそのライセンスを有しています、確か。)

ロングフォーム・スタイルとしては、過去の公演で「ハロルド」と呼ばれるものを短めにチャレンジしていました。これは、お題から連想ゲーム的にいくつもの単語などを繰り出し、その中からいくつかの関連性のないシーンを展開し、最終的にテーマが浮かんで来たり、シーンがつながっていったり、というものです。

今回の「菱形プレイ」は、ハロルドの一つのスタイルです(たぶん)。ただし、今回の即興組合の演目からうっすら見えるのは「アルマンド・ディオス」というロングフォームの別のスタイル。なにか関連をもって考えているのかどうか、ちょっと聞いてみたいところです(聞きませんけど~♪)。

物語の展開は毎回違うのでそこには触れず、プレイヤーについての雑感をまとめてみます。


ニコラスさんは、その独特のスタイルに磨きがかかっていました。その独特さは年月とともに自然な風合いを醸し出しており、滑らかに変化していく、といった感覚を覚えました。これからどうなるのかが一番わからない人かもしれません。

岡田みちよさんは、さらに引き出しを増やしました。さすがです。お題の捌きも自然。観客からのお題や台詞は大切なものなので、多くのプレイヤーはついつい自分が引いて言葉にしたお題や台詞にこだわりがち。そうしたこだわり(もしくは縛り)からも解き放たれた解放感を勝ち取ったような気がします。

山田ともるさんは、動きのキレに「余裕」が出てきました。ただキレがあるばかりではない「余裕」というのは、なかなか言葉では表現しにくいですが、舞台を「遊ぶ」的な感じに磨きがかかってきた、というのが最も近いかもしれません。これは、岡田みちよさんにも共通することです。自由度の高さ、という言い方でもいいのかもしれません。

有田桐さんは、演じるパターンが現時点では限られています。ある程度の範囲であっても、そこに役者としての語彙(ボキャブラリー)があると広がるとも思うのですが、この数回の範囲では広がりは感じられません。なお、服装の選択に難あり。

山﨑孝宏さんは、前回よりも引き出しが増えました。前回は「勢い」の舞台でしたが、ロングフォームになって落ち着きが出てきたことで、本人の中に余裕が生まれていると感じられました。彼の課題はたった一つ。自分が演じている場面では、自分の思い描いた展開に引き込もうとしがちなので、いわゆる「yes and」をどれだけ自分のモノにできるか。

即興演奏の川西敦子さんは、舞台で楽しむことを実感できるようになったのではないかと思います。次は、舞台全体の意思をどのように感じていくか。舞台上の誰しもがそうですが、引っ張りすぎず引きすぎず、の関係づくりが難しいところ。音が展開を引っ張りがちなところがあるので、これからの舞台での関係づくりに期待です。

即興音響の望月音次郎さんは、前回と比べてよい意味で落ち着きました。これは取り返しのつきにくいロングフォームだから冒険しにくい、という側面もあるのかもしれません。前回とかの様子から、効果音とか音響分野が自分の好みのままに「遊ぶ」傾向が強かったので、今回は落ち着いていてよかったと思います。ただし、「隙あらば!」感たっぷり。お互いを尊重しあうことが必要です。

即興照明の高橋由衣さんは、自然かつニュートラルだったと思います。出過ぎず引き過ぎず、違和感のない明かりというのは、一体化しているか全くなにもしていないか、のふたつにひとつ。もちろん、前者の一体化ですよー。今回の劇場は明かりにとって大変難しいところなので、苦労も多かったと思います。そんな中で舞台を感じているからこその明かりでした。


今回は敢えてお題や台詞を書かずに見ました。特に今回は、舞台を自分のお題が読まれることを期待するのではなく、全くのニュートラルで見たかったので。だって久しぶりの観客だったので。即興組合の次回公演は、シアタースポーツ=インプロゲームの対戦形式。次回を楽しみにしてます。

コメント

_ mippo ― 2012/04/25 00:13

ここでしたかー!
これは素晴らしいコメントです・
ものすごい観察眼です。
そしてありがたすぎます。

_ den ― 2012/04/25 23:24

見たままをそのまま書いただけだよー。
ただし、久々なのでじっくりしっかり書いちゃった♪

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