観劇日記 yhs「つづく、」2014.8.252014/09/01

この夏は「釧路」な夏でしたが、「釧路」を挟んで2つの舞台を観劇。


ひとつは「おちくぼ」、そしてもうひとつが「つづく、」。


~ フライヤーより ~

2112年、{SAPPORO地区」。
局地的な寒冷化により万年雪に包まれ、避難区域となりそれから数十年が過ぎ、かつての200万人都市の面影は無い。復興局の職員が復興作業に当たっているが、寒冷化の原因も未だ分からず、復興のめどは立っていない。そこへ東京からドキュメンタリーの撮影にテレビクルーがやって来る。ディレクターの小林は、廃墟と化したかつての「劇場」に足を踏み入れ、そこに落ちていた台本を拾うと、復興局職員たちに劇場で芝居をさせようと言い始め・・・・・・。




yhs観劇は初。

なんでかわかりませんが、今回が、初。

ということで、「つづく、」の観劇雑感。




1)全体に役者スキルがやけに高い。深い。

これまでの舞台歴や年齢は一切知りません。
でも、役者スキルたっかいなぁ~!というのが観劇中からの感想。

青木玖璃子さんホントにいやな女優だった。
小原アルトさんはホントに気持ち悪い局長だった。
重堂元樹さんはガラの悪さにコミカルな芝居をうまく入れていた。
能登英輔さんは軽さを軽さのままにできる貴重な役者であった。
小林エレキさんは切羽詰まった感が役か本人か区別がつかなかった。
小林なるみさんはある意味ありのまま感満載で無理やムラがなかった。


2)役者パワーが溢れている。深さはさらに期待。

脇田唯さんは集中力に感嘆。
櫻井保一さんは思い切りの良さに軍配。
小池瑠莉さんはきれきれの芝居に感服。
阿部星来さんは跳躍力に脱帽。


3)面白かった。が。これからに期待。

越智良知さんは表面のみの軽さとちゃんとした軽さの違いを理解していたかどうか。
最上朋香さんは豪快さを売りにされているのかしているのかがこの先の選択の鍵。
戸嶋智美さんは周りの圧倒的な存在感にすっかり隠されたことをどう受け取るか。
曽我夕子さんはyhsとしてどうしたいのかに共鳴するのかしないのか。


4)演出に一本!

・長い暗転状態をうまく使っていた。ただし、やはり暗転は長すぎない方がいいなぁ。あの客席の組み方だと、不安もよぎるし。
・キャットウォークの一組と、舞台上のもう一組が、同時に進行するのはとても刺激的だった。できれば台詞のつくりが絡まると演出も効果的になるのでは。
・開場中のお客さんの動線は、たぶん舞台上を歩かせることでの一体感を作りつつ、客席も使った役者動線を違和感なく受け入れてもらおうという試みだと思った。あ、物販の都合?とも感じるところもあり。つまりは、終演後お客さまが会場を後にするまでの演出は行ってなかった訳だな。
・役者に対する演出として、阿部星来さんのキャラクターはあれでよかったのか。これは脚本への疑問でもある。
・明かりはやっぱり目潰しっぽいのがあった。あれ、僕はいやだな。
・音は生音っぽいのがよかったな~。未来を取って自然の脅威や力を捨てたのかな。うーむ、残念。
・ラストはよかったなー。ただ、雨の音、大きすぎ。台詞を聞きたかった。


5)脚本をどう見るか。

・錬られた脚本だと思った。「練る」ではなく「錬る」のほう。鋼を鍛えるように錬られた脚本。その印象と舞台の印象は非なるところもあるのが、南参くんらしいところなのか。「らしさ」が成立するには脚本、演出、役者、スタッフのどれかが欠けてもアウトだが。
・脚本に描かれた希望は、結局のところ「虹」に集約されたんだろう。でも、僕はあれよりも札幌人を否定して隠し続けようとした脇田唯さんの「吐き気」が極寒のSAPPOROでの新しい命の暗示の方が好きだな。そこをそれほどクローズアップせずに配置したことで、「芽生え」を表現していたのではなかろうか。





なんだかんだ言っても、おもしろかったなぁ、yhs。

また、見たいな。

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